「シンデレラ」ロッテ・ライニガー
Cinderella (Aschenputtel) - Lotte Reiniger (1922)
「シンデレラ」ロッテ・ライニガー/ドイツ/1922
これは影絵のアニメーションです。
ところで、
映写機もプロジェクターも、強い光を放ちスクリーンに像を映し出す。
テレビもPCもスマホも町中に溢れるデジタルサイネージも、発光して像を描く。
しかし、当たり前のことすぎて、光っているということを忘れてしまいがちです。
映像は光っています。光で出来ています。
そして、光の中に何かを描くには、影が必要です。
要するに、映像は「光」と「影」で出来ているのです。
何が言いたいかというと、
つまり、
影絵アニメーションは、もっともシンプルな映像だと言っても過言ではない
ということです。
映画が誕生したのは1895年、
(細かく言うと、もう少し前に似たようなものもあったのだけれど)
このアニメーションはそれから数えて27年後に作られました。
(ちなみに、同じころに発表された映画は、
ドイツ表現主義の金字塔「カリガリ博士」(1920年)や、チャップリンの名作「キッド」(1921年)、ホラー映画の元祖「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922年)などがあります)
最も有名なシンデレラ、ディズニーの「シンデレラ」が作られたのは1950年、
この作品よりもさらに28年後のことです。
昨年公開された、実写の「シンデレラ」は、そこからさらに65年後、
ライニガーのシンデレラからは93年後、映画が誕生してからは120年後のことです。
アニメーションの母と呼ばれ、影絵アニメーションのパイオニアであり、女流作家の先駆けでもあるロッテ・ライニガー。
6/2は彼女の誕生日、ということでGoogleのロゴが彼女や影絵アニメーションがモチーフになっていたことに便乗して。。。
こちらも貼り付けておきます。
Lotte Reiniger’s 117th Birthday Google Doodle