『花折り』川本喜八郎
『花折り』川本喜八郎/日本/1968年
Hanaori (Kihachiro Kawamoto)
今日の強風で残りの桜も全て散ってしまいましたが、
もう少し春の余韻に浸りたい。。。という願望から、
お花見を題材にしたこのお話を紹介します。
狂言の「花折」を題材にしたアニメーションで、
日本画や絵巻物のような平面的かつ立体的な背景画を背に
能面のようなユニークな顔をしたひょっとこや坊主が
美しい桜の木をめぐって繰り広げる愉快なお話です。
日本的で情緒あふれる美術が印象的。
またセリフがほとんどなく、抑揚のある面白い動きで見せるあたりも
とても狂言的に描かれています。
坊主のダメさ加減とお調子者加減が相まって、
憎みきれない愛嬌がなんとも絶妙です。
坊主のつるっと光っているおでこや、
目を瞑って微笑んでいるような表情や(一回だけ開きます)、
よく動く首がとても可愛らしい!
数少ない声の担当をされているのは、誰もが知っているあのお方です。
最後にクレジットされているので、皆様確かめてみてください。
川本喜八郎氏がチェコへの人形アニメーション留学から帰ってきて
最初に手がけた第1作目だそうです。
個人的にとても大好きなアニメーションです。