『Pinocchio』ジャンルイジ・トッカフォンド
『Pinocchio』ジャンルイジ・トッカフォンド/イタリア/1999
Pinocchio(Gianluigi Toccafondo)
とにかくグニョングニョンでビヨンビヨン
ピノキオと言えば鼻が伸びることで有名ですが、
このピノキオは、
手や耳や体も膨れ上がり
(伸びるというよりは膨れ上がる、に近い印象、こぶとり爺さんのこぶのように)
形の輪郭をも曖昧にしながらそれらは蠢き
なんとも柔らかそうというか、プルンプルンというか、
妙に心地いいんです。
鳥のような、ウサギのような、アメーバのような、不思議な形状。
その上、写真のコピーを下敷きに描いているということで、
人物の顔や町並みなどがとてもリアルでありながら、
歪んだ鏡に映ったみたいに伸びたり縮んだりします。
(実際にコピーを取る際に、原本を意図的に手動でずらして歪んだ画像を作っているそう)
頭の中を開いて
曖昧な記憶や、経年や思い込みで事実と異なった形で育ってしまった記憶を、
覗き込んでいるような感覚になる、そんなアニメーション。
冒頭のシーンを見てピンと来た人もいるはず。
最近『オデッセイ』で見た人も多いのでは?
リドリー・スコット率いる 「スコット・フリー」のロゴを手がけています。
90年代後半にはユナイテッドアローズのCMも手がけていました。
ファッションとの相性も良さそう。